「オイルフィルターとオイルエレメントは何が違うのか」と、違いがわかりにくく各特徴を理解しておきたいと思う方は少なくないのではないでしょうか。
オイルフィルターとオイルエレメントは、ろ過性能を持っていますが、形状や構造が異なります。また、オイルフィルターにも種類があり、合うエレメントも異なります。
この記事では、オイルフィルターとエレメントの違いを中心に、フィルターの種類や特徴をあわせて紹介します。交換時期の目安も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 【目次】
- オイルフィルターとオイルエレメントの違いは?
- オイルエレメントの役割とは?
- オイルフィルターの構造を徹底解説!
- オイルフィルターの3つのタイプの特徴とは?
- オイルエレメントの3つのタイプの特徴とは?
- オイルフィルターとオイルエレメントの交換時期の違い
- オイルフィルター・エレメントを自分で交換する方法
- オイルフィルター・エレメントを自分で交換するときに覚えておきたい注意点
- まとめ
オイルフィルターとオイルエレメントの違いは?
オイルフィルターとオイルエレメントは、同じろ過性能を持っています。ただし、同じ造りではありません。
ここからは、オイルフィルターとオイルエレメントの役割や違いを詳しく解説しています。
オイルフィルターとエレメントの違い
オイルフィルターは、エンジンオイルを綺麗にするカートリッジ全体を指しています。一方、エレメントは、オイルフィルター内に設置されているろ紙のことを指しています。
いずれもろ過の機能を持っているため、セットで扱うことが多いです。 オイルフィルターは大まかな不純物をろ過し、エレメントで細かな不純物をろ過できると覚えておきましょう。
各々のろ過性能によって、綺麗になったエンジンオイルが循環されます。しかし、オイルフィルターとエレメントをの交換を怠ると、吸着した不純物でエンジンオイルが劣化してしまう可能性が高いです。 片方を交換するのではなく、両方を交換すればろ過性能の維持ができます。
オイルエレメントの役割とは?
オイルエレメントは、ひだ状に折りたたまれている部品のことです。エンジンオイルに吸着した不純物などを拐取する役割を担っています。
オイルエレメントは、磁石を使用していてろ過できなかった不純物を高い吸着力でキャッチします。また、粘度の硬いエンジンオイルでも対応できる素材を使用していることもあります。 中央部分の金属フレームを囲んでいるように配置されているため、循環するエンジンオイルをさらに綺麗にろ過することが可能です。
オイルフィルターの構造を徹底解説!
オイルフィルターとエレメントは同じろ過性を持っていますが、別々のものであることが分かりました。ここからは、オイルフィルターの細かい構造について解説していきます。
オイルエレメント
先ほども紹介したように、オイルエレメントはひだ状に折りたたまれている部品のことです。オイルフィルターのなかで”ろ紙”の役割を担っており、カートリッジの中心部にある金属のフレームを囲むようにつけられています。
エレメントは使用すれば済用するほど、目詰まりが発生してろ過機能が低下していきます。その為、定期的に交換する必要があるのです。
リリーフバルブ
リリーフバルブとはエレメントが目詰まりを起こした時など、オイルの流量を確保するために開くバルブのことです。タンク内の圧力が異常に高まると自動で開き、圧力を放出してくれます。
逃がし弁とも呼ばれており、通常時は閉じたままになっています。とても大切な機能ですがエレメントの目詰まりでリリーフバルブが開くと、異物や不純物をろ過しないままエンジンオイルが循環することになりますので、注意が必要です。
アンチドレーン弁
アンチドレーン弁とはオイルフィルターの入り口に配置されており、オイルフィルター内のオイルがオイルバンに逆流するのを防ぐ働きがあります。これによってエンジン始動時にオイル切れ、いわゆるドライスタートとなるのを防止しているのです。
サポートスプリング
サポートスプリングとはオイルフィルター内の上部に配置されており、振動やオイルの油圧によってエレメントが動くのを防ぐ働きがあります。
ガスケット
ガスケットはオイルフィルター本体とエンジンブロックの接続面を埋め、密閉する役割を担っています。別名、Oリング(オーリング)とも呼ばれており、エンジンの熱にも耐えられる丈夫な素材でできています。
圧力調整弁(レギュレーターバルブ)
圧力調整弁はレギュレーターバルブとも呼ばれており、エンジン油圧を一定に制御する役割を担っています。オイルポンプから送られてくるエンジンオイルの油圧が一定以上になると自動で開き、オイルフィルターに異常な油圧がかからないように調整しているのです。
オイルフィルターの3つのタイプの特徴とは?
オイルフィルターの種類は大きく分けて、以下の3つがあります。
- フルフローバイパスタイプ
- フルフロータイプ
- コンビネーションタイプ
各フィルター機能には、ろ過性能が備わっていますが、フィルターの内部構造や搭載されている車種が異なります。各オイルフィルターの種類についてみていきましょう。
①フルフロー・バイパスタイプ
フルフロー・バイパスタイプは、併用型であり2つのオイルフィルターが備わっています。
主に、ディーゼル車に搭載されていることが多いタイプです。フルフロータイプでろ過できなかった微粒子レベルの不純物を、バイパスタイプでしっかり取り除くという目的で使用されています。
また、フルフロータイプよりもバイパスタイプの方が、濾紙の目は細かくなっていて、時間をかけて不純物のろ過がされる構造です。
ディーゼル車の購入前にチェックしておきましょう。
②フルフロータイプ
フルフロータイプは、ガソリンを使用する自動車に備わっているオイルフィルターです。
カートリッジ全体の交換が必要であったり、中にあるオイルエレメントの交換のみを行うこともできます。 エンジンオイルに含まれる不純物のろ過性能は、使用するエレメントが優れているほど高いです。
ガソリン車を利用する方が多いため、フルフロータイプは値段の幅が広いという特徴もあります。
③コンビネーションタイプ
コンビネーションタイプは、フルフロー・バイパスタイプを1つにしたオイルフィルターです。
フルフロー・バイパスタイプの機能を集約していて、コンビネーションタイプの内部は複雑な構造になっています。 良い部分の機能がまとまっていることから、フィルター自体がコンパクトで、車への搭載スペースが小さいというメリットがあります。
コンビネーションタイプも、フルフロー・バイパスタイプと同様で、ディーゼル車に使用される傾向にあります。
オイルエレメントの3つのタイプの特徴とは?
オイルエレメントの種類は大きく分けて、下記の3つです。
- マグネットが付いているフィルター
- 純正のフィルター
- ろ過性に優れたフィルター
各フィルターが持つ性能によって、交換頻度やエンジンへの負荷が異なってきます。下記ではフィルターの性能や、特徴を合わせて解説するのでぜひ参考にしてください。
①マグネットが付いているフィルター
マグネットが付いているフィルターは、マグネットの磁気によって極小の金属片でも吸着できます。
通常のフィルターよりも、高性能なフィルターです。通常のフィルターが持つろ過性能をより強力にするため、金属のほとんどを吸着してくれます。 ただし、ろ過性能を維持するためにも吸着した汚れが溜まらないように、フィルターの交換頻度が多くなる点を考慮しましょう。
交換時期を考えるだけではなく、交換にかかる費用も考えておかなければなりません。
②純正のフィルター
純正のフィルターは、製造している自動車メーカーが販売している製品です。
正規メーカーが販売しているため、性能も保証されており高品質のフィルターを使用できます。しかし、社外品は、純正のフィルター価格よりも安く販売されているため、同じフィルターでも格安で購入することが可能です。 ただし、社外品のほとんどは純正品の機能を高めたり、補助したりするように作られていることも少なくありません。
費用に問題がなければ、純正のフィルターを選ぶことがおすすめです。
③ろ過性に優れたフィルター
ろ過性に優れたフィルターは、エンジン機能の維持がしやすいという特徴があります。
フィルターの種類によっては、使用されている濾紙では不純物の吸着やろ過が難しいこともあるでしょう。特に微粒子以下の極小の不純物は、ろ紙を通過してしまいます。
しかし、ろ過性に優れたフィルターであれば、細かな不純物でもしっかり吸着やろ過をしてくれるため、綺麗なエンジンオイルを循環させることが可能です。
エンジンの負荷を減らせるため、エンジン機能が維持しやすくなります。
オイルフィルターとオイルエレメントの交換時期の違い
オイルフィルターとオイルエレメントでは、交換時期が異なります。
ただし、いずれもエンジンオイルが汚れた際に、一緒に交換される場合が多いです。ここでは、オイルフィルターとオイルエレメントの交換時期の目安を詳しく解説していきます。
オイルフィルターの交換時期
オイルフィルターの交換時期は、下記の目安を意識しましょう。
- オイル交換2回につき、オイルフィルター交換1回
- 走行距離10,000km 6ヶ月に1回
- もしくは1年に1回
オイルフィルターは、オイルが汚れたタイミングで、合わせて交換することが望ましいです。ただし、車の使用頻度によって、エンジンの汚れ具合は異なります。
頻繁に使用するのであれば、定期的にオイルフィルターのチェックも行うことが大切です。オイルフィルターの汚れ具合にもよるため、整備士と話し合って決めると良いでしょう。
オイルエレメントの交換時期
オイルエレメントの交換時期は、走行距離が約20,000kmを超えたときです。
マグネット付きフィルターを使用しているのであれば、約6,000kmを超えた場合に交換を推奨します。オイルエレメントはエンジンオイルが交換される際に、一緒に交換することが基本です。 ただし、長距離走行・悪路の走行が多いなど、走行する環境によっては汚れが多くなるため、20,000km以下でも交換の検討を行いましょう。
不純物が蓄積したままになると、エンジンが劣化してしまう原因にもなります。オイルエレメントも、定期的にしっかりと点検を行うことが大切です。
オイルフィルター・エレメントを自分で交換する方法
ここからはオイルフィルター・エレメントを自分で交換する方法をご紹介します。交換の仕方だけでなく、事前に準備しておくと良いものも解説しますので参考にしてください。
交換の時に準備するもの
オイルフィルター・エレメントを交換する際に準備しておくものと、何の目的で使用するものなのかご紹介します。
- ジャッキ(車体を持ち上げる)
- リジットラック(持ち上げた車体を固定する)
- オイルチェンジャー(エンジンオイルを抜く)
- オイルジョッキ(エンジンオイルを入れる)
- ウエス(汚れを拭き取る)
- 廃油処理箱(抜いたエンジンオイルを処理する為の箱)
- 廃油受け皿(抜いたエンジンオイルを受ける)
- パーツクリーナー(エンジンオイルを除去する)
- 新しいエンジンオイル
オイルフィルター・エレメントの交換の仕方
準備が完了したら、実際にオイルフィルター・エレメントの交換を行ってみましょう!ここからは交換の手順を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- エンジンオイルを抜く
オイルゲージを抜き、オイルチェンジャーを使用してオイルを抜き取る。エンジンを暖気しておくと、エンジンの熱によってオイルが柔らかくなり抜きやすくなります。 - オイルフィルターを外す
車をジャッキアップし、リジットラックで固定。廃油受け皿をエンジンオイルが出てくる場所の下に配置し、オイルフィルターレンチを少しずつ回してオイルフィルターを外します。(温まったエンジンやオイルフィルターで火傷しないように注意する) - 新しいオイルフィルターを取り付ける
ガスケットのヨレや破損防止のため、新しいオイルフィルターにエンジンオイルを塗っておくと良い。取り付ける前に古いオイルフィルターの残骸が残っていないか念入りに確認しましょう。 - 新しいエンジンオイルを補充する
エンジンオイルを入れる際には規定量の半分まで入れて、その後はオイルゲージで確認しながら少しずつ継ぎ足していくと良いでしょう。補充が終わったらエンジンを始動し、オイルフィルターにエンジンオイルを浸透させます。その後、再度オイルゲージでオイル量を確認し、十分な量が入っているか確認しましょう。
エンジンオイルの規定量に関しては、車の取扱説明書に記載しておりますので必ず確認するようにしましょう。また、オイルフィルターを交換する際には、オイルフィルターに浸透させるためにエンジンオイルが少し余分に必要になります。既定の量+約200mlほど用意しておくと安心です。
オイルフィルター・エレメントを自分で交換するときに覚えておきたい注意点
オイルフィルター・エレメントの交換を自分で行うにあたって、注意すべき点がいくつかあります。ここからは注意点について紹介しますので、目を通してから作業にあたることをおすすめします!
廃油処理の方法を事前に確認しておく
まず始めに、廃油処理の方法(古いエンジンオイルの処理方法)を事前に確認しておきましょう。廃油の処理方法は主に3つありますので、どの方法で行うと良いのか自分にあったものを選択してください。
①各自治体のごみ処理方法に従う
エンジンオイルの処理方法に関して、各自治体によって処理の方法が異なります。自治体によっては廃油箱に入れることで、ごみとして処理できる場合もあるようです。自分の住む地域ではどのような取り扱いをしているのか、事前に確認しておくと良いでしょう!
②ガソリンスタンドでの廃油引き取り
ガソリンスタンドも場所によっては廃油の引き取りを行っていることがあります。近くのガソリンスタンドで廃油の引き取りを行っているか、また廃油の処理代はいくらかかるのか確認しておきましょう。
③エンジンオイルの購入店舗での廃油引き取り
エンジンオイルを購入した店舗で廃油の引き取りを行っていないか確認して見ましょう。お店によっては、廃油の引き取りを行っている場合もあります。
パーツクリーナーの種類を気を付ける
パーツクリーナーとは、自動車やバイクなどの洗浄に使われる専用のクリーナーです。オイルやグリスなどの汚れに効果的なため、オイルフィルターの取り付け部分を洗浄したり、オイル汚れを落としたりする際に使用します。その為、オイル交換の際には1本用意しておくと良いでしょう。
しかし、パーツクリーナーの種類によっては樹脂やゴムを劣化させてしまうものもあります。対応している成分をしっかりと確認することをおすすめします!
まとめ
ここまで、オイルフィルターとエレメントの違いを中心に、フィルターの種類や特徴を紹介しました。
オイルフィルターとオイルエレメントは、同じろ過性能を持っていることから、まとめて見られがちです。しかし、オイルフィルターとオイルエレメントは実は担っている役割が異なります。
各交換時期の目安も異なりますが、使用頻度で劣化具合も変わってくるため、定期点検をしっかり行いましょう。
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引用元:ヨロスト公式HP
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